スマホで実践!
子ども写真の撮り方のコツ

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「今、すごく良い顔した!」子育て中、そんな奇跡の一瞬は毎日訪れます。しかし、いざスマホを構えるとブレたり、真顔になったり。子ども写真を撮るときのあるあるですね。このコラムでは、お手持ちのスマートフォンを使って、我が子の魅力を最大限に引き出す、子ども写真の撮り方のコツを徹底的に解説します。今日から試せるテクニックで、一瞬一瞬が愛おしい宝物になるはずです。

なぜ難しい?子ども写真の基本と準備

まず大前提として、子どもの写真を上手に撮るのは、プロのカメラマンでも難しいと言われます。その理由を理解することが、上達への第一歩です。
最大の理由は、その予測不能な動きにあります。特に歩き始め、走り始めた子どもは、大人の予測を上回るスピードと方向で動き回ります。ご飯を食べているかと思えば急に立ち上がり、おもちゃに向かって一直線。じっとしてくれるのは、寝ているときか、夢中になって何かに集中しているほんのわずかな時間だけ。このエネルギッシュな動きこそが、ブレやピンボケの最大の原因となるのです。
次に、子どもの集中力です。「はい、こっち向いて!」「笑って!」これらの言葉は、子どもにとって楽しくない指示でしかありません。カメラを向けられると、さっきまでの自然な笑顔は消え、緊張したこわばった表情になったり、すぐに飽きてそっぽを向いたりしてしまいます。大人が撮りたいタイミングと、子どもの撮られたいタイミングは、残念ながら一致しないことが多々あるのです。
そして、私たち大人の目線の罠です。私たちは無意識のうちに立ったまま子どもを見下ろす形でシャッターを切りがちです。すると、写真はいつも子どもの頭頂部と床が大きく写り込んだ、単調な構図になってしまいます。これでは、子どもが見ている世界や、その表情の機微を捉えることはできません。

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しかし、これらの難しさは、すべて子どもの生き生きとした生命力の証でもあります。私たちは、その生命力を押さえつけるのではなく、ありのままを美しく切り取る方法を学べばよいのです。
そのために、高価な機材は必要ありません。今お持ちのスマホ十分です。しかし、撮影を始める前に、ほんの少しだけ準備をしましょう。これだけで写真の質が劇的に変わります。

1.「光」を制する者は、写真を制す
写真は光で描く絵です。暗い場所で撮れば画質は荒れ、ブレやすくなります。子ども写真の撮り方において、光は最も重要な要素の一つです。最強の光源は、なんといっても自然光です。室内で撮るなら、窓辺がベストポジション。特に、レースのカーテン越しに差し込む柔らかい光は、子どもの肌をふんわりと優しく照らしてくれます。逆に避けたいのは、真上から照らす天井の照明だけでの撮影です。夜や暗い部屋で撮る場合、これだけだと顔に不自然な影が落ちやすくなります。その場合は、間接照明やスタンドライトを補助光として使うと、写真に立体感が出ます。スマホのフラッシュは、光が強すぎて不自然なテカりや影を生み出し、子どもの目にも優しくありません。できるだけ自然光や部屋の明かりで撮り、フラッシュは使わないのがベターです。
2.「グリッド線」を表示する
スマホのカメラ設定でグリッド線(格子状の線)を表示させましょう。これは、次に解説する構図を整えるための非常に便利なガイドラインです。「なんとなく撮る」から「狙って撮る」ための第一歩であり、プロっぽい写真への近道です。設定方法がわからなければ、「スマホの機種名 グリッド線」で検索すればすぐに見つかるはずです。
3.「連写モード」を恐れない
子どもの表情は一瞬で変わります。「今だ!」と思ってシャッターを押しても、すでに遅いことも日常茶飯事。迷わず連写モードを使いましょう。「パパパパッ」と数十枚撮れた中から、あとで最高の一枚を選べば良いのです。失敗を恐れてシャッターチャンスを逃すことほどもったいないことはありません。

実践!子どもを主役にする撮影テク

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準備ができたら、いよいよ撮影です。単なる記録を作品に変える、具体的な子ども写真の撮り方のコツをご紹介します。

テクニック1:王道にして最強、「目線の高さ」までしゃがむ
大人の目線から撮るのを今日からやめてみましょう。思い切って床に膝をつき、ときには這いつくばって、子どもの目線と同じ高さにカメラを構えてください。これだけで写真に写る世界は一変します。大人の目線からだと見えなかった子どもの真剣な眼差し、こちらを見上げる無邪気な笑顔が真正面から捉えられます。さらに、背景がシンプルになり、主役である子どもがぐっと引き立ちます。子どもが見ている世界を共有する。それが、良い子ども写真の基本のキです。
テクニック2:構図の魔法「三分割法」
先ほどご紹介したグリッド線を使いましょう。画面を縦横に3分割する線を意識し、その線の上、あるいは交点に、子どもの顔や目を配置します。 被写体をど真ん中に配置する日の丸構図も悪くありませんが、少し窮屈で単調になりがちです。あえて左右どちらかに寄せることで、写真に余白と安定感が生まれます。例えば、公園で遊ぶ姿を右下の交点に配置すれば、左上には青空や木々の緑が広がり、その場の空気感まで伝わるプロっぽい仕上がりになります。
テクニック3:大胆に「寄る」
全身を写そうと無理に下がっていませんか? 逆に思い切り子どもに近づいてみましょう。ぷにぷにの手、一生懸命に何かを掴もうとする指先、閉じられたまぶたの長いまつげ、小さなあんよ。夢中になって遊ぶほっぺや愛おしいつむじも素敵な被写体です。顔全体が写っていなくても、その子の今を象徴するパーツを主役にする「パーツフォト」は、非常にアーティスティックで、愛情を感じる写真になります。
テクニック4:あえて「引く」
「寄る」のとは対照的に、思い切り引いて撮るのも一つの手です。公園の広大な芝生、美しい夕焼けの空、満開の桜並木。その壮大な風景の中に、ぽつんと小さな我が子がいる。これは、子どもの姿と同時にその子がいた場所やそのときの空気感を丸ごと記録する方法です。主役をあえて小さく写すことで、その場のスケール感やまるで絵本の一ページのような物語性が生まれます。
テクニック5:「背景」を意識する
せっかく良い表情なのに、背景に脱ぎっぱなしの靴下が…という悲劇を避けるため、背景は常に意識しましょう。シンプルが一番です。白い壁、無地のシーツ、公園の芝生など、背景がシンプルなほど主役の子どもが際立ちます。もし背景がごちゃごちゃしている場所で撮るなら、スマホの「ポートレートモード」が使えるか試してみましょう。この機能が使えるなら、積極的に活用してください。背景が自動でボケるため、まるで一眼レフで撮ったかのように子どもを浮き立たせることができます。
テクニック6:動く子どもを撮るコツ
まずは前述の通り、とにかく「連写」します。そして、必ず「明るい場所で撮る」こと。暗いとシャッタースピードが遅くなり、必ずブレます。屋外や明るい窓辺など、光量が十分な場所を選びましょう。もう一つの高度なテクニックが「AE/AFロック」です。スマホの画面を長押しすると、ピントと明るさを固定できます。例えば、子どもが滑り台を滑り降りてくる着地点にあらかじめピントを合わせてロックしておき、子どもがそこに来た瞬間に連写する「置きピン」というテクニックが使えます。

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テクニック7:「逆光」を恐れず、活かす
普通、逆光(太陽や窓を背にする)はNGとされますが、子ども写真においては最高の演出になります。あえて逆光で撮ると、子どもの輪郭が光に包まれてキラキラと輝き、髪の毛は透き通って、非常に幻想的でドラマチックな写真に仕上がります。顔が暗く写りすぎないよう、スマホの画面で子どもの顔をタップし、明るさ補正で少し明るく調整するのがコツです。

最高の表情を引き出す心構え

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どんなに撮影テクニックを磨いても、子どもの表情がこわばっていては意味がありません。撮影のコツ以上に、最高の写真を撮るためにパパ・ママが持つべき心構えこそが最も重要です。

1.「撮るよ!」と声をかけない
子どもに「撮る」と宣言した瞬間、自然な表情は消え去ります。カメラは常に手の届く場所に置いておき、子どもが何かに夢中になっているとき、遊んでいるときに、そっと構えましょう。親がカメラマンになるのではなく、遊び相手の一人としてその輪の中からシャッターを切るイメージです。リビングのいつも座る場所のそばにスマホを置いておくなど、日常に溶け込ませる工夫も有効です。
2.「笑って!」は禁句
「笑って」と言われて自然に笑えるのはモデルだけです。子どもに無理な要求をするのはやめましょう。それよりも、親自身が楽しそうに子どもをあやしたり、くすぐったり、変な声を出したりしてみてください。子どもがつられて笑った、その本物の笑顔を狙いましょう。「こっち向いて」ではなく、「パパ(ママ)のところまでおいでー!」と呼びかけて、全力で走ってくる笑顔を連写するのも素晴らしい撮り方です。
3.「かわいいね!」と実況中継する
シャッターを押しながら、「わー、今の顔かわいい!」「すごいね、速いね!」「その真剣な顔、かっこいいね!」と、ポジティブな言葉をどんどんかけてあげましょう。子どもは褒められると嬉しくなりテンションが上がります。その結果、さらに良い表情が引き出されるという好循環が生まれます。撮影は親子の最高のコミュニケーションの時間でもあるのです。

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4.「失敗写真」を愛する
ブレてしまった写真、ピンボケの写真、目をつぶってしまった写真。それらをすぐに削除しないでください。ブレているのは、それだけ躍動していた証拠。ピンボケはその場の空気感を写したもの。泣き顔は、そのときに悔しかったり悲しかったりした証拠。すべてがその子の紛れもない成長の記録です。完璧な写真だけが良い写真ではありません。そうした失敗写真もフォトブックやアルバムにあえて「ブレブレ写真集」のページとしてまとめてみると、後から見返したときにそのときの活発な様子が蘇る面白い思い出になります。
5.「待つ」勇気を持つ
無理に笑わせようとせず、子どもが何かに夢中になっている真剣な横顔や静かな表情も同じくらい価値があります。シャッターチャンスは親が作るものではなく、子どもがくれるもの。撮りたいという気持ちを少し抑え、ただ静かに見守り、待つ。その姿勢が思わぬ奇跡の一枚を生むことがあります。

まとめ

ここまでたくさんのテクニックや心構えをお伝えしてきましたが、結局のところ、子どもの写真を撮ることにおいて最も大切なものは親の愛情です。「どうしてうちの子はこんなにかわいいんだろう」「この瞬間を、絶対に忘れたくない」。その強い思いこそがシャッターを押す原動力です。そうして撮りためた写真は、数年後、子ども自身が大きくなったときに最高の贈り物になることでしょう。
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※本コラムに掲載している画像はAIで作成したものです。