尾瀬ヶ原へ秋色を探しに。
2日目は爽やかな那須から、秋の色を求めて尾瀬へ。
前日のうちに宇都宮へ移動し、翌朝尾瀬の玄関口である鳩待峠へ。尾瀬はいくつかの玄関口がありますが、鳩待峠は高低差が少ないのでおすすめです。
鳩待峠から尾瀬ヶ原の入口である山ノ鼻までは樹林帯を歩いて1時間ほど。山の鼻に到着すると視界が広がり、いよいよ尾瀬ヶ原が見えてきます。秋の色を表現するため、ホワイトバランス機能で色味を暖色に設定し、散策スタートです。
尾瀬ヶ原といえば広い湿原にどこまでも続く長い木道。いつか歩いてみたいと思っていた遥かな尾瀬が目の前に。どこまでも続く湿原の奥行きを表現したくて、画面に対して多めに湿原を配置。人が入るとその場所の広さが伝わります。
夏の花ノアザミはそろそろ終わりをむかえるころ。茶色味を帯びた花の色に秋の気配。
秋の花ワレモコウ。深みのある赤紫色が湿原に秋の彩りを加えます。
尾瀬ヶ原を奥へと進んでいくと見られる数々の池塘。池塘にはヒツジグサ。未の刻(午後2時)頃に花が咲くことが名前の由来だというけど、葉の形もヒツジの足のよう。水面の映り込みを画面に入れ、透明感のある一枚に。
山ノ鼻から歩いて1時間半ほど歩くと見えてくる龍宮小屋。尾瀬ヶ原のちょうど真ん中あたりにある、四方を湿原で囲まれた自然豊かな宿です。今晩はここに泊まり、翌朝の日の出を迎えることに。日の出、見られるかな…。
目覚めると朝焼けの気配はなく、周囲は霧。だけど、グレートーンで彩られる尾瀬ヶ原もしっとり美しくて素敵。
夜露がついてキラキラと輝く蜘蛛の巣。自然が生み出す造形に、ただただ驚かされるばかりです。
そういえば日がさしてきた…と思い、後ろを振り向くとなんと。
尾瀬ヶ原に白い虹。初めて訪れた尾瀬ヶ原で白い虹が見られるなんて!日の出直後に出現するので、尾瀬に宿泊した人だけが見られるご褒美なのだとか。
明るくしすぎると虹が目立ちにくくなってしまうので、明るさを抑えて撮影しました。
そして、太陽が高く登る頃には霧も薄れ、青空が。晴れの日も曇りの日も、どちらの尾瀬も楽しめるなんて本当に贅沢。朝陽に照らされた尾瀬ヶ原は一段と秋色が増しているように見えました。この時期の尾瀬は日に日に紅葉が進み、秋が深まっていくのでしょう。
紅葉が始まるころの尾瀬は人が少ないので、ゆっくりと秋色を探したい、写真を撮りたい、そんな人に向いてるように思います。そして、夏から秋への季節のゆらぎを感じたい人にも。