dフォトヒントTOP

vol.17

dフォトヒント

写真家の川野恭子とむらいさちの
ワンポイントレッスン

紅葉写真を鮮やかに撮るために
プロがしている3つのこと

テレビのお天気コーナーでは、紅葉情報が連日のように取り上げられていますね。紅葉のシーズンを楽しんでいますか?

写真家のきょん♪さん、むらいさちさんが栃木県・日光に出かけ、美しい紅葉写真を撮るコツをお伝えします。これから紅葉を見に行くという方は必見です。

紅葉の色を美しく撮るコツ

紅葉写真は、“色”が命!紅葉のきれいな色を出すには、<太陽を背中に向けた順光で撮るのが基本>です。そのほかにも、カメラの設定をちょっと変えるだけで、紅葉の色がグッと際立ちますよ。

鮮やかさを調整する

色の鮮やかさは、「彩度」で調整できます。一眼カメラなら「ピクチャーモード」などの色を設定するメニューから、詳細設定の画面に入って調整します。紅葉の葉をより鮮やかに撮影するときには、彩度(鮮やかさ)を調整してみましょう。スマートフォンなら、撮影後に画像編集アプリで調整できますよ。

ホワイトバランスを調整する

一眼カメラや一部のスマートフォンに付いている「ホワイトバランス」という機能を調整すると、カラーフィルターのように色を乗せることができます。紅葉を撮影する際は、「日陰」や「曇天」に設定するのがおすすめです。

明るさでイメージを作る

明るさを変えると、写真のイメージが大きく変わります。暗くすると、しっとり落ち着いた雰囲気の紅葉写真に。明るくすると、ポップでかわいいイメージの紅葉写真に。自分のイメージに合わせて、写真の明るさを調整しましょう。

写真の明るさは、一眼カメラなら「露出補正」機能で、スマートフォンなら画面を長押しして明るさのバーを表示させるなどしてから調整します。

※スマートフォンは機種によって操作が異なります。

プロから学ぶ 美しい紅葉写真の撮り方 6選!

写真家の作品を見て、紅葉をどのように写しているか参考にしてみましょう。

青空と一緒に撮る

青空と紅葉を一緒に撮ると、色のコントラストが美しい1枚に。順光(太陽に背を向けている状態)で撮ると、紅葉だけでなく青空の色もきれいに出ます。

根本から見上げて撮る

紅葉の木の根元から見上げて撮ると、紅葉が包み込んでくるような感じで写すことができます。ちょっと変わった視点で撮るのも面白いですよ。レンズの広角側で撮るのがポイントです。スマートフォンでも簡単に撮影できます。

縦位置で撮る

長辺の長さが強調されるので、縦位置で撮ると空に向かって伸びる紅葉の高さが表現できます。また、縦位置の写真は、SNSにアップしてスマートフォンで見ると、写真が大きく表示されるので、写真をしっかり見せたい人におすすめです。

一部分を切り取る

広い風景を目の前にすると、レンズの広角側を使って広い範囲を撮りたくなりますよね。でも、あえて紅葉の一部分を切り取る方法もおすすめです。この作品はまっすぐに立つカラマツをズームで寄って写した1枚。カラマツの林が画面いっぱいに写り、グラフィカルなイメージになりました。

カメラを傾ける

写真を撮っていて「普通で面白みに欠けるな」と感じたら、カメラを斜めに構えて撮ってみましょう。カメラを傾けると写真に動きが出て臨場感や躍動感が生まれます。いつも見ている紅葉の写真とは少し違う印象になりました。

周囲の景色と一緒に撮る

紅葉と一緒に周囲の景色も一緒に撮ると、どのような場所に来ているのか伝わる1枚になります。また、青空の面積を広く作ると、すがすがしい雰囲気が作れますよ。

ワンポイントアドバイス

きょん♪「今回ご紹介したカメラの機能は、「彩度」と「ホワイトバランス」と「露出補正」。この3つがマスターできれば、いろいろな写真に応用できます。一眼カメラやスマートフォンは便利な機能がたくさん付いています。使わないのはもったいないですよ。時間があるときに、どんな機能が付いているかご自身のカメラと仲良くなってくださいね」。

むらいさち「紅葉写真は、自分が動くことで順光や逆光など太陽の向きを選ぶことができます。紅葉を鮮やかに撮るなら順光ですが、逆光で紅葉を透かすように撮ると、透明感が出てきれいですよ。また、今回の撮影は晴れていましたが、雨の日は雨の日しか撮れない紅葉写真があります。例えば水たまりの映り込みや、紅葉の葉っぱにできた雫。天気が悪いから写真が撮れなかった…というのは、もったいないですよ」

撮った写真はプリントしよう

スマートフォンのおかげで、いつでも気軽に撮影できるようになりましたが、その撮りたまった写真、プリントしていますか? 画面の中だけでなく、フォトブックやプリントなど、手に取れる形で残すと、宝物のように愛着が湧いてくるから不思議です。dフォトなら、月額429円でフォトブック1冊かL判プリント30枚を作れるので、宝物が毎月増えていく楽しみを味わえます。家に飾ったり、おじいちゃんおばあちゃんに贈ったり…と、思い出を見える形で共有するのも良いですよね。ステキな写真が撮れたら、ぜひ形に残してみてください。

川野恭子(きょん♪)

写真家。神奈川県生まれ。Steidl Book Award Japan 2016 ノミネート。システムエンジニアの職を経て、「空をより青く撮りたい」という思いからカメラを手にする。キッチンから野の花まで、日常の何気ない景色を独特の色と光で切りとる作風で女性からの人気が高まる。執筆や講師、トークショー、広告撮影など、多岐に渡り活動。最近では山に魅了され、山の美しさや、山をとおした死生観を女性ならではの視点で撮り続けている。横浜にて写真教室「Atelier photo* chocot 」を主宰。著書に『はじめてのデジタル一眼撮り方超入門』(成美堂出版)、『写真家きょん♪のふわっとかわいい「ゆるかわ写真」の撮り方ノート』(宝島社)、『子ども写真の撮り方手帖』(マイナビブックス)ほか多数。

むらいさち

沖縄でのダイビングインストラクターを経て写真の世界へ。水中をメインに、日本を始め世界の海を訪れる。最近では、水中からオーロラまで、地球全体をフィールドに撮影を続けている。独特の淡く優しいスタイルで「幸せな瞬間」を表現し続けている。著書に、写真集「ALOHEART」「LinoLino」「きせきのしま」「FantaSea」、写真教本「光と色の写真の教科書」、新刊に詩人谷川俊太郎氏とのコラボ写真絵本「よるのこどものあかるいゆめ」がある。

監修 笠原竜太