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vol.31

dフォトヒント

写真家の川野恭子とむらいさちの
ワンポイントレッスン

「春、見つけた♪」感動をかわいい写真に残す方法
~スマホ編~

日に日に暖かくなっていますね。ポカポカ陽気になると、イチゴ狩りやお花見などの春らしいお出かけを楽しむ人も多いのではないでしょうか。

そこで、写真家のきょん♪さんと、むらいさちさんが伊豆に出かけ春を探しに行ってきました。今回は、スマートフォンでかわいい春写真を撮るコツをお伝えします。

プロが教える! スマートフォンでかわいく撮る方法

スマートフォンのカメラでは、デジタル一眼カメラのようなステキな写真は撮りにくいと思っていませんか? スマートフォンでもちょっとしたコツを知っているだけで、思い出をかわいく残せますよ。

天気が良い日は青空の面積を広くする

スマートフォンのカメラは、多くの機種で記念写真や、きれいな風景を撮影しやすいように、広い範囲が写るようにできています。そのため、空や海などの広い景色などの撮影には向いています。青い空は、見ているだけで気持ちよくなります。天気がよく、きれいな青空の風景を目にしたときは、水平線や地平線を画面下に配置して、青空の面積を広くすると青空の美しさが伝わる写真になりますよ。

青い空と桜はとても似合います。わざと桜の一部分と青空だけで切り取ると、スッキリとした画面になり青空に咲く桜が印象的な写真になりました。

撮りたいものに近づいて撮る

スマートフォンのカメラは、撮りたいものに近づかないと大きく撮ることができません。デジタルズームという画像の一部を大きく拡大して撮影する機能もありますのでうまく使いましょう。

ここでは、手すりに止まっているかもめを撮影しました。かもめから少し距離があったため、かもめが小さくなってしまいました。また、かもめの背景もごちゃごちゃとしています。

かもめに逃げられないようにそっと近づいて撮影しました。

簡単にシンプルな背景を作るなら、青空が背景になるように撮影するのがオススメ。主役を下から撮ると、背景が空になり余計なものが写りにくくなりますよ。

画面に暗い色が入らないように工夫する

写る範囲の広いスマートフォンでは、いろいろなものが写り込みます。

桜をきれいに撮りたいとき、画面内に建物などの人工物や、暗い色が入るとふんわりした春らしい印象でまとめるのが難しくなります。ピンク色の桜はかわいいけど、そのかわいさがうまく表現できない…という人は映り込んだ建物や、黒い影になった枝も一緒に撮っていませんか?

桜をかわいく撮りたいなら、必要のない建物や、枝の黒い部分が写らないように構図を工夫して、ピンクの花だけが入る場所を探して撮るようにしましょう。ピンクの桜の花と青空だけを写すことで、華やかな春の写真になりました。

スマートフォン用の外付けレンズを使ってマクロ撮影

スマートフォンのカメラのレンズは、小さな花などにぐっと寄って撮影するマクロ撮影はできません。

しかし、スマートフォン用の外付けレンズを装着することで、マクロ撮影(※)ができるようになりますよ。外付けレンズは、いろいろな種類が各メーカーから用意されています。数百円から購入できるのでお手軽です!スマートフォンのレンズだけだと同じような写真ばかりなりがちですが、外付けレンズを持っていると写真のバリエーションが増えますよ。

<※マクロ撮影とは、被写体に近づいて、花などの被写体を大きく撮影することです。>

下の花のアップは外付けレンズを使って撮影しました。桜の花のシベにピントを合わせて撮影。マクロ撮影では、スマートフォンでもボケを楽しむことができますよ。

花を真上から撮りました。撮るときに中心を少しずらして、花びらの形を出しながら奥行きも出して遠近感を作りました。

撮影後にアプリでよりかわいく変身!

スマートフォンの写真編集アプリを使えば、撮影後に写真をより自分の好きな写真のテイストに調整できます。スマートフォンのカメラアプリは、とてもたくさんの種類がありますので、自分の好みに合ったものを使うことをおすすめします。

スマホ写真を一眼レフのような写真にしてみよう

写真編集アプリを使えば、一眼レフで撮った写真のようにぼかしたり、色合いを変えてドラマチックにしたりとさまざまなことができますよ。

アプリでボケのフィルターを使って一眼レフのようなボケを作りました。手前に桜の花があることで遠近感が強くなります。ここでは、ハイキー(明るい)な写真にするために明るさなども調節しています。

アプリの色味を変更する機能を夕景の写真で使ってみます。夕日が当たる街の写真に、レトロ感をつけるフィルターをかけました。夕日の当たるビルの色と空のコントラストが増して雰囲気のある写真に仕上がりました。

切り取りも自由自在。スクエアでおしゃれな印象に

インスタグラムでも人気のスクエア写真。最初からスクエアで撮ってもいいのですが、そうすると最初から構図をしっかり決めなくてはいけません。撮影後にスクエアにトリミングしたほうが、余計なものが写り込みにくく、じっくり構図を吟味することができるのでおすすめです。

イチゴの花の蕾を真ん中において撮った写真を、明るく鮮やかに色味を変更して、スクエアにしました。

桜の木の下から見た枝が面白かった写真。枝の太い部分が邪魔でしたが、スクエアにすると邪魔なものも消えて面白かった部分が残りました。

ワンポイントアドバイス

きょん♪「かわいい写真を撮るコツは、ピンクや赤など目を引く色を画面の中に入れること。ワンポイントになり、かわいい印象を与えられますよ」

むらいさち「春はお花の季節。僕は花を撮るときは何枚も何枚もいろいろな角度から撮って、いちばんかわいく写る場所を探します。ちょっと位置を変えるだけで写り方は、まったく変わります。写真は1枚撮って終わりにするのではなく、いろいろな場所から撮ってみてください」

撮った写真はプリントしよう

スマートフォンのおかげで、いつでも気軽に撮影できるようになりましたが、その撮りたまった写真、プリントしていますか? 画面の中だけでなく、フォトブックやプリントなど、手に取れる形で残すと、宝物のように愛着が湧いてくるから不思議です。dフォトなら、月額429円でフォトブック1冊かL判プリント30枚を作れるので、宝物が毎月増えていく楽しみを味わえます。家に飾ったり、おじいちゃんおばあちゃんに贈ったり…と、思い出を見える形で共有するのも良いですよね。ステキな写真が撮れたら、ぜひ形に残してみてください。

川野恭子(きょん♪)

写真家。神奈川県生まれ。Steidl Book Award Japan 2016 ノミネート。システムエンジニアの職を経て、「空をより青く撮りたい」という思いからカメラを手にする。キッチンから野の花まで、日常の何気ない景色を独特の色と光で切りとる作風で女性からの人気が高まる。執筆や講師、トークショー、広告撮影など、多岐に渡り活動。最近では山に魅了され、山の美しさや、山をとおした死生観を女性ならではの視点で撮り続けている。横浜にて写真教室「Atelier photo* chocot 」を主宰。著書に『はじめてのデジタル一眼撮り方超入門』(成美堂出版)、『写真家きょん♪のふわっとかわいい「ゆるかわ写真」の撮り方ノート』(宝島社)、『子ども写真の撮り方手帖』(マイナビブックス)ほか多数。

むらいさち

沖縄でのダイビングインストラクターを経て写真の世界へ。水中をメインに、日本を始め世界の海を訪れる。最近では、水中からオーロラまで、地球全体をフィールドに撮影を続けている。独特の淡く優しいスタイルで「幸せな瞬間」を表現し続けている。著書に、写真集「ALOHEART」「LinoLino」「きせきのしま」「FantaSea」、写真教本「光と色の写真の教科書」、新刊に詩人谷川俊太郎氏とのコラボ写真絵本「よるのこどものあかるいゆめ」がある。

監修 笠原竜太