ポイント1 きれいな光を見つける
写真を撮るうえで光はとても大切です。特に外で撮影する風景写真は、同じ場所でも、季節や時間、天気などで光が変わるので風景の印象も変わります。
まず、「写真を撮りたいな」と思ったきれいな場所を見つけたら、どんなふうに光が当たっているか確認してみましょう。たとえば同じ桜でも、青空の天気のいい日、薄曇りの日では光の当たり方が違うので、写真の雰囲気や桜の色合いが変わりますよ。
春は薄曇りの日が多く、そんな日は光が柔らかくなります。柔らかい光で撮ると、影がはっきり出ないので、ふんわりした印象 で撮ることができます。こちらの写真は、太陽が昇りきっていない午前中の光で撮影しました。春の柔らかい光と、斜め上からの午前中の光で、柔らかいながらも適度な立体感が出た写真になりました。
マジックアワーで撮影した1枚。マジックアワーとは、日の出・日の入りの前後約10分間のことで、光が刻々と変化し空の色はグラデーションに染まります。どんなものも魔法のように写真がきれいに撮れることから、「マジックアワー」といわれています。みなさんもぜひ、マジックアワーに撮影してみてくださいね。
この写真は、手前の濡れた砂浜の反射がきれいに見えるように、光を意識して撮影ポジションを選びました。
昇る朝日で輝く海の水面を撮影。光が反射してキラキラしているところは、とてもフォトジェニック。キラキラポイントを見つけたら、撮ってみましょう。
カメラを構える高さを変えるだけで、海の輝き方は変わります。低い位置から撮ることで、海の輝くキラキラを強調しました。この写真を見ると、実際の海の明るさや色と、写真の明るさと色が違うことがわかりますね。自分のイメージに合わせて、ホワイトバランスや露出補正といったカメラの設定を変え、イメージを投影できるのも写真の面白さです。
ポイント2 画面の水平・垂直を意識する
風景は、垂直や水平を意識して撮るようにします。この水平・垂直の線が傾いていると、不自然な印象になってしまいます。カメラをしっかり構えて、まっすぐになるように撮影しましょう。最近のデジタルカメラやスマートフォンのカメラアプリには、垂直や水平の写真を助けてくれる「グリッド」や「3分割線」などを表示する機能がありますので、ぜひ活用してみてください。
朝日でオレンジから青に染まるグラデーションの空の美しさを伝えたかったので、空の面積を広くして撮影しました。キラキラ輝く太陽と、小さな船を画面に入れたことがポイントです!
こちらは白波と海の青のグラデーションを強調するため、海の面積を広くして撮った1枚。上の写真と同じ場所で撮っても、写真の主題(撮りたいもの、伝えたいもの)で水平線の位置が変わります。
ポイント3 手前と奥にポイントになるものを配置する
画面の手前から奥にポイントになるものを入れると、写真に遠近感や奥行きが出やすくなります。こちらの写真は、手前と奥に桜を入れたことで、空間に奥行きが出ました。
また、地面に近い部分を写さなかったことも、ポイントです。道や道端に生えている草の緑色を入れてしまうと、画面の要素が多くなり散漫な印象に。桜と空だけを写し、画面を整理することで、春らしい写真にまとまりました。
じつは、このような場所で撮影をしました。目の前の風景全部を写してしまうと、だれが撮っても同じ記録写真になってしまう可能性があります。
イチゴにぐっと近づき、その間から撮影しました。手前のイチゴはカメラの距離が近いのでぼけて写ります。手前のイチゴがぼけたことで、ピントの合った奥のイチゴと対比され、より奥行き感が強調できました。
イチゴが手前から奥まで画面に入るように、しゃがんで撮影しました。自分が動いて、奥行きを感じる場所を探しましょう。